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アウトプットの練習用に。ゆるーく書きます

本は汚く書き込んで読め!:"読む力"(中公新書ラクレ)を読んだ話

 
作者は下の記事で見かけた"松岡正剛"という方。(こちらの記事も「たくさんの"つもり"を作ることでより多くを本当に身につけることができる」という内容が非常に面白いです。)
「どんな本を書かれてるんだろ」と調べたらちょうど新刊が出たみたいで、興味ある題名だったので買ってみました!
 

本はもっと自由に読んでいい —— 松岡正剛 「“つもり”の中に真実がある」の意味すること | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

本の概要は「松岡正剛氏と佐藤優氏の初の対論集。今の人に読んでほしい150冊を紹介する。」というもので、読む本を探している人や、”今までとちょっと違った本を読んでみたい”って方にオススメしたい本です。紹介されている本はいわゆる知識人が太鼓判を押しているわけですし。
 
"論壇"という言葉が頻出し、その知識のない私にはわからないところもありましたが、それでも刺激になる内容が数多くありました!
 
まず、書評の書き方について佐藤氏が持論を述べるところ。
 
~(前略:執筆の際、引用を地の文に書き換えるよう注文する編集者に関して)p.39より
書評で引用するということは、そこでとても重要な判断を下しているわけですよ。言い方を変えると、あえて引用すべき部分を見定めて、それに対して、地の文で自らの論評を加えていくのがフェアで、読者にとっても親切な書評なのではないかと思うのだけれど、それがわからない。地の文の方がいいのだと思い込んでいるのです。
この後で、論文のように読み手が出典を追跡できるようにしたい(=トレーサビリティを残したい)という理由も説明されるのですが、普段から雑誌の記事やTwitterの呟き、ニュースの記事を読んでいても「その根拠は…?」となる私にとっては同意できる言葉でした。
 
次に、松岡氏の読者に伝えるための考え。
p.51より
本に著される思想とか知識とかいうものは、リフレクターが介在したり、何かと鏡像関係を結んだりすることで、大きく変わってくるものです。「伝えたい相手がいる」「読者の顔が見える」ことによって、初めてブラウザーを的確に働かせることができる。伝えたい相手がいないメディアは、やっぱりつまらない。
かなり考えさせられる言葉です。このブログ記事にしてお、確かに読み手を意識出来てるか、というと怪しくて、私自身の思考の整理でしかないように感じます…。あまり本を読まない人に興味を持ってもらえるような文を書けたらよいのですが…。精進します。
 
そして、2人が声を揃えて述べる「読書の技法」。
~(前略:p.47での読書のしかたに関する話題から引っ張って)p.146より
どうしても綺麗に読みたければ、二冊買えと。一冊は書き込んで、一冊は保存用にすればいいのだから。
この言葉が衝撃的でした。私は「大事な本を汚すなんてとんでもない!」と全く書き込まずにやってきた人間だったので。
しかし、一度読んだ本を読み返すこと自体少ないですし本を読んで感じたことをその場でアウトプットしておくことは記憶の定着という意味でも効果がありそうです。
それに、一度書き込んでしまえばその本自体が、自分にとってのまとめノートにもなりますし!
 
とりあえず3か所、
①本を紹介するときは引用して、トレーサビリティを残すこと
②"伝える"文章を書くときは伝える相手を明確に意識して書く
③本に直接書き込むべきだ
という内容を引用しましたが、この他にもにもハッとさせられることが多く、私の読書観がかなり変わりました…!
なにはともあれ、松岡氏も紹介していたレーニンの『哲学ノート』から新しい読書生活を初めていこうかな、と思います。