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アウトプットの練習用に。ゆるーく書きます

PSYCHO-PASS SS case.3、恩讐の彼方に意志の力を見た話

公開されてすぐ行って、そのあとにもう一回!と観に行ったんですよね。

とってもとっても面白かったんですよ。恩讐の彼方に__は

psycho-pass.com

そういうわけでタイトル通り劇場版の3つ目について。ネタバレ有りな感想です〜

 

 

 

 

 

感想を細かく書き出すと一つ一つの場面ごとに「カッコいい!」って書く羽目になるので、3点にまとめていきます!

初めて描かれた”外の世界”の日常

 以前の劇場版でもシーアンという外国は登場しましたが、シビュラの外で暮らす人々の”日常”が描かれたのは初めてでした。非常に興味深かったです。

 で、描かれていた外の世界はというと「意外と普通だった」わけです。シビュラ下の日本が圧倒的に平和で日本の外はほとんどが紛争地帯で全く違うのはわかるのですが、今回登場したテンジンらの暮らしぶりは我々の想像が及ぶ範囲、至極平凡に暮らす人々の日常でした。

 こうなると逆に日本という余りにも管理された社会の方が違和感のあるものとして見えてくる。今回はそういう対比を見せてくれる話でした。

 

 以前の劇場版で登場したサイボーグおじさん(CV.石塚運昇さん)は日本を「シビュラに骨抜きにされた国」と称してましたが、まさにこれ。そのことを直接言及はしないものの、今回の作中では逆説的にバリバリ描写されています。例えば、個人的に一番気に入っているテンジンの言葉。親の仇だったガルシアに投げナイフされて重傷を負いながらも「ガルシアは悪い奴だけど停戦交渉は多分いいことだから止めないで」と請いました。ここで人間の意志の力が美しく輝いています。そりゃもちろん殺したいくらいにガルシアが憎いのですよ。でも自分一人のエゴよりみんなの平和が大事、と”自分で”考えて言う。まだ子供なテンジンが、です。

 テンジンに限らず、ガルシアに清々しい程にロケランをぶっ放すツェリンや部下の傭兵を守るために悪を成したガルシアも、今回登場したキャラは”自分の意志で”決断してるのが印象的です。システムが決めた白黒に従って悩むことなく生きられる日本と、グレーの中で思い悩んで決断する外の世界、果たしてどちらがいいのかは、、、今後さらに突っ込んで描かれるのか。。。

 

 こんかい描かれたことはサイコパスという作品の主題的な部分でもあり、現代社会に投げかけてるメッセージですよね。今はまだ「私たちは自分で思い悩んで決めている」と思えますが、果たしてそうだろうか。一歩踏み込んで考えると違ってくる気がします。例えばソーシャルゲーム。僕の最近のブームはグラブルでして休日には半日くらいかけて育成に励んじゃうのですが「これってゲームをしてるのか?ゲームにやらされてるのか?」って疑問が沸く瞬間があります。

 何かを発信したら反応が気になったり、ずっと離れていると「コミュニティから遅れてしまうのでは」と不安になるSNSもそうなんですが、すでに私たちはシステムに行動を操作されてる部分があるんだよなぁ、ってのは頭の隅に留めときたいな、って思います。

 

まさにサイドストーリー!狡噛が3期に至るまで

 サイコパスといえばこうちゃん!な印象があるので忘れがちですが、これってサイドストーリーなんですよね。本編とはちょっと違う。確かにシビュラと人類の関係性に変化が起こるわけではなく、「逃亡していたこうちゃんが日本に戻る決断をするまで」って話なので実に脇道です。とはいえ今作の主人公である狡噛にとっては大きなターニングポイントでした。

 できうる限りの不殺を貫き、組織に属さず、「やりたくないことはやらない」を標榜する姿はある意味かっこいいですが、少年兵の騙し討ちによって命の危機に会ってしまいます。(そもそも開幕の酒場でもガルシアがナイフ投げてくれないと危なかったでしょうし)

 完全に「捨て鉢」でしたよね。一期以降、狡噛が度々見る槙島の幻覚は「俺は槙島と似ている」と思っている彼のモノローグですがその中でも「悪霊は君自身じゃないか?」だとか「キリスト教では死は贖罪だ」なんて言ってます。多分、劇場版でギノさんと別れて以降の彼は目的もなく前に進めずいたんだろうな、ということがわかります。

 ラストでは花城フレちゃんが「貴方、変わった?」って言いますが、実際変わったんでしょうね。変えてくれたのは関わった全ての人たち。ポイントは「人間の意志の力を見せて狡噛を動かした」テンジンと狡噛に「あいつだけは許さない」と言わせたガルシアでしょう。この二人って「仇のように憎い人間を前にして撃たなかった」、そして「善良な人間を知らぬ間に悪に荷担させる」と言う点で朱とシビュラに符合する部分があるのかな、なんて思います。そう考えると停戦を守るためにガルシアを撃てなかったテンジンの代わりに殺した狡噛は。。。今後の展開にも影響してくるのかな…。楽しみですね。「シビュラそのものは嫌いだ」というスタンスは変わってないですしね。

 

カッコいい!がテンコ盛りなラストバトル 

  小難しいことをたくさん考えてしまいましたが、そんなモヤモヤを吹き飛ばすくらい本当にカッコいい!!

 ラストバトルなんて、雨の降る列車上でラスボスとタイマンwithナイフですからね。要素が揃い過ぎてて(いい意味で)笑いそうになります。あのシーンはガルシアが案外アッサリ押し切られてしまうところもいいんですよね。ガルシアをキャラとしてかなり気に入ってるのですが、悲哀に溢れてますよね。。。戦闘中に語った「生産ができない〜」なんてのは狡噛の言う通りただの屁理屈ですが、最後の言葉「居場所が欲しかったんだ」というのはなんかこう、、グサーッっと来ましたね。もちろん明らかに悪として描かれてるのですが、憎めない。。。

 あと、久々に狡噛を見たからか序盤は「誰だお前!?」ってよく思ってました。「日常で険しい表情をしてないこうちゃんってこんなにいいお兄さんなんだ!」って驚きが非常に大きい。修行シーンにしろ、心境を語るシーンにしろこうちゃんの持ち前のイケメンさが十二分に発揮されてて「あ、、、見たいサイコパスってこれだわ、、、」ってなるのです。(一番見たいのは哲学者引用バトルですけど、それができるキャラは当分出なさそう……)

 

 

 以上、久しぶりに感想が溢れて来て書きたくてたまらなくなった感想でした!

3期はよ。